2017.01.13
レポート
海外の高速電気鉄道 -集電技術を中心としてー
三和テッキ株式会社 技術本部 技師長 島田 健夫三 様(元 公益財団法人 鉄道総合技術研究所 電力技術研究部長)講演会概要プログラム(1)世界の高速鉄道の延長と建設・運営体制の例(2)世界のき電方式と海外の高速新線と新幹線の違い(3)架線・パンタグラフの相互作用(4)海外の集電系(高速電車線の構造とパンタグラフ)(5)国際規格における海外と日本の違い内容 日本と世界の高速鉄道は、その環境や発展形態の違いにより、多くの異なる点があります。本講演会では、電車線設備の形式・金具材料をはじめとして、鉄道の運営方法・メンテナンス方法まで、幅広い視点からわかりやすく比較してご紹介いただきました。また、国際規格の重要性について、実例ともに解説してくださいました。 参加者の感想冨田さん本講演会では、電車線の比較だけではなく、駅設備や車両の違いまで、海外の貴重な写真や図を交えて視覚的にご紹介いただきました。そのおかげもあり、他系統社員や若手社員にも理解しやすく、興味深い内容でした。また、安全面・性能面で世界に誇る「新幹線技術」は日本独自に進化してきたため、「国際標準」の面では非常に不利な状況にあることを知り、大変驚きました。今後、当社でも力を入れていく「海外業務」について、いままで全く気が付かなかった課題が見えました。
2016.09.29
レポート
GKTK2016
鉄道系電気工事会社の日本電設工業様では、1年に1回各支店や関連会社が集まり、業務効率の改善法を検討した成果を発表し合います。正式名称は、「業務改善提案活動発表会」といい、各項目の頭文字を取りGKTKと略されています。発表後には懇親会が実施され、関係者の親睦を深めるのにも一役買っています。 今回、第27回GKTKにおきまして、NDSは変電所の操作・保護連動シミュレーションソフトを発表しました。変電所を設計するにはその動作を知っておく必要がありますが、変電所の機器を勉強のために勝手に動かすことはできません。そのため、変電所の複雑な動作を机上で体験・学習することにより、その知識を設計に反映させることを目的として開発中です。参加者の感想坂場さん私の発表時には数十人の方々が拝聴されていました。これだけ大人数の前でプレゼンをする機会は通常の設計業務では殆ど巡って来ない為、非常に良い体験になったと感じます。シミュレーターはまだ改善の余地が多々ありますので、今後も引き続き開発活動を継続していきたいと思います。
2015.10.06
レポート
接地、レール電圧、腐食と電食について
発表者 : NDK執行役員 出野様現場では、接地やレール電圧、電食に関する基礎知識の不足が事故を引き起こしています。例えば、橋梁上で枕木が焼損したり、わずか10年で鉄柱の支線が断線したりと言った具合です。これらは安定輸送を脅かすような事故であるにも関わらず、その内容を纏めた資料も殆ど存在せず、我々設計会社ではなかなかその詳細を知る機会に恵まれません。しかし、設計側でもその原因をきちんと理解しておくことにより、事故の再発防止や設備の保安度の向上、メンテナンスコストの削減が見込めることは言うまでもありません。この講演会は、接地・レール電圧・電食に関して、その原理を実際の事故例やその対策の説明を織り交ぜながら学ぶものでした。参加者の感想大地が導体であるために、場合によっては通常と全く異なる経路で電流が流れてしまうことや、その影響範囲の大きさに驚きました。電気は目で見えないため、現場では不思議な現象に感じたと思いますが、本講演会では、原因を図やグラフ等の「目で見える形」で学べたので良い教訓になりました。設計側と現場側で事故の情報を共有できたというのも良かったと思います。今後は、大地も回路の一部であることを忘れずに設計業務に携わろうと思います。