発表者 : NDK執行役員 出野様
現場では、接地やレール電圧、電食に関する基礎知識の不足が事故を引き起こしています。例えば、橋梁上で枕木が焼損したり、わずか10年で鉄柱の支線が断線したりと言った具合です。これらは安定輸送を脅かすような事故であるにも関わらず、その内容を纏めた資料も殆ど存在せず、我々設計会社ではなかなかその詳細を知る機会に恵まれません。
しかし、設計側でもその原因をきちんと理解しておくことにより、事故の再発防止や設備の保安度の向上、メンテナンスコストの削減が見込めることは言うまでもありません。
この講演会は、接地・レール電圧・電食に関して、その原理を実際の事故例やその対策の説明を織り交ぜながら学ぶものでした。
参加者の感想
大地が導体であるために、場合によっては通常と全く異なる経路で電流が流れてしまうことや、その影響範囲の大きさに驚きました。電気は目で見えないため、現場では不思議な現象に感じたと思いますが、本講演会では、原因を図やグラフ等の「目で見える形」で学べたので良い教訓になりました。
設計側と現場側で事故の情報を共有できたというのも良かったと思います。今後は、大地も回路の一部であることを忘れずに設計業務に携わろうと思います。